「メモリア」を観て
初アピチャッポン監督。
昔の伊勢佐木町周辺には幾つものミニシアターがあったようだが、今や横浜シネマリンとジャック&ベティぐらいしか残っていない。
メモリアが上映している横浜シネマリンは、なんと私の職場の目と鼻の先なんです!
なので仕事終わりに観に行きましたよ。
……ちゃんと寝てから行くべきだったね。
途中眠いのなんのって!
だけどこれも含めてのアピチャッポン作品、なんでしょ?
始めはただの幻聴の謎を追うストーリーだと思っていたけど、一体あの人何だったの?と人物まで謎が加わり、主人公ジェシカの統合失調的世界に誘われているのかと錯覚した。
音響スタジオの男、ジェシカと同じく爆発音が聞こえているのか横断歩道に倒れる男、山奥に住む魚の鱗取り職人などなど…。
奇しくも音響スタジオの男と山奥の男な名前は同じエルナン。
この二人の男たちが、違ったアプローチでジェシカを導いてゆく。
また、ワンシーンがとても長く、ひとりの人間の静かな日常を共に体験しているよう。
作中の爆発音は、私には胎児が外に出ようとする音に聞こえた。
外に出たいと、ジェシカだけに訴えているようであった。